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一粒に宿る思い。稲の神「巨大胚芽米カミアカリ」の軌跡を辿る(2)

巨大胚芽米カミアカリは1998年9月、コシヒカリの突然変異の米として静岡県藤枝市の田んぼで発見されました。通常の米の3倍という巨大な胚芽を持つことから、栄養素が豊富に含まれているといわれています。コシヒカリが本来持つ旨味に加え巨大胚芽米特有のプチプチとした食感が特徴です。玄米が苦手という人をも虜にしていく、魅力のつまったカミアカリの軌跡を辿りました。


「稲オタク」との呼び名を持つ松下さんは、稲には本来の生命力と美しさがあると語る


カミアカリをつくりだす環境


松下さんが「巨大胚芽米」を発見したのは今から24年前のこと。コシヒカリの田んぼの中で突然変異した「巨大胚芽米」の稲を偶然発見。


松下さんの育てた稲。思わずみとれるほどの美しさだ。



本来、突然変異という状態のまま遺伝子が固定されることは極稀なことだそうです。もはやこれは偶然ではなく必然だったのではないかと思うほど。


「自分自身が何をするのでも、したのでもなく、稲は自立した植物であり、自分で生きていく力があるんです。私の仕事は、彼らが気持ちよく育つことができるように環境を整えることですね。」と語ってくださった松下さん。


肥料をたくさん与えることが環境を整えることだとは限りません。稲の生きる力を育てるためにはできるだけ自然に近いかたちで稲が育つことができる環境づくりをサポートすることが大切なのだとか。


人間の意志というより、自然環境と向き合いながら、田んぼに生える雑草なども条件をなくすことで農薬を使わず環境を整えることができるといいます。このような農法で作られるからこそ美味しい「カミアカリ」がつくりだされているのです。





カミアカリ生産者 松下明弘さん

 

「私は自分でこのお米美味しいんでしょ?って決して言わないんですよ。それは他者が決めることですから、決して自分の価値を押し付けることはしません。私はやるべきことをきちんとやるだけ。自然はそもそも本来の生命力があり、美しさがあります。」と松下さん。エチオピアに青年海外協力隊で行き、現地で暮らしたことがとても大きな経験になったそうです。





豊かさとは何をもって豊かさというのでしょう。人間として、自然の一部として生きることこそが豊かさなのではないでしょうか。


今、地球の自然環境は変化し、気候変動も起きていますが、その変化すらも楽しみながら、いかに心地よい場所を作るのか、本来の生き方は自然と共に生きることだと教えていただきました。









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