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畑を通じて五感を研ぎ澄ます「こどもアグリ(農業)体験」

更新日:2023年9月27日

築110年の古民家で発酵食を提供するSOYハウスでは、

子供向けに一年を通して農業体験をする「こどもアグリ体験」を開催している。

インスタグラムで募集を開始すると、すぐに定員に達してしまうほど人気のアグリ体験。


こどもアグリ体験

参加者は未就学児〜小学生が多いが、時には高校生も参加しているという。


アグリ体験を通して子供達に現れる変化や、地域の農家の方々との繋がりについて、

SOYハウスを運営する山下ともちさんにお話を伺った。


さつまいもの収穫の様子

ーこどもアグリ体験ではどんなことを行うのですか


「アグリ体験では 『植える』『育てる』『収穫する』『食べる』の一連を、年間通してやっています。

SOYアグリは農業体験といっても、ほんとにきっかけなんだけどね。もっと専門的に取り組んでるところとかもあるでしょう?そういった部分は専門の方々にお任せして、私たちはあくまできっかけ。農業の入り口の部分を体験してほしいなって。土いじりってなかなか難しいところがあるし、お母さんたちも汚してほしくないとかいろいろあるけど、ここでは「汚したもん勝ち!」「汚した方が偉い!」って言ってる。

6月にはさつまいもとスイカの苗を植えました。8月の頭にはスイカを収穫して、ここでスイカ割り大会をするんです。スイカも大きいのと小さいのがあるから、班に分かれてどのスイカにするかとか、みんなで選んだりして。11月にはサツマイモを収穫して焼き芋大会。全部年間通して食べるとこまで味わってもらうって感じですね」


育てたスイカ

ーアグリ体験を通して、山下さんが子供達に感じて欲しい部分はどういったところですか


「畑では風を感じるし、土の匂いも感じる。そういった五感を研ぎ澄ます時間。電子音は鳴ってないわけ。そういう場所で、土に手を入れていると、なんかちょっと大地とつながるっていうか、自然と一体になる感覚が大人でもあるんだよね。子供はもっと無意識に潜在的に感じてるのかなと思うんですけど。その体験をしてほしいなと思っています」


畑の土を触る

ーアグリ体験をした子供たちの様子はどんな感じですか


「一年の集大成として、畑で採れた大根やキャベツとうちの手作り味噌でお味噌汁を作って酵素玄米を食べて締めくくるんだけど、「こんなにお味噌汁飲んでるの見たことない!」ってお母さんが言ってくれるのね。自分が植えて、作った作物がお椀に入ってて。おかわりすごい何回もするの。今まで野菜を食べなかった子がその時食べてくれて、すごい嬉しかったかなぁ」


ー農家さんにアグリ体験で使用する畑の相談に行ったときはどんな反応でしたか


「本当にありがたいことに、どっちかっていうと農家さんの方から来てくれたんですよ。知り合いの知り合いの…みたいな繋がりではあるんだけど「何やってるの?」って。

「NPO法人起ち上げたから子供たちに農業の体験をどんどんさせていきたいんだよ」って言ったら「うちのところの土地半分貸してあげるからそこでやってみる?」って言ってくれて。管理も実は一年間通して農家さんがやってくれるんです」



育てたトマト

ー子供達と農家さんとの繋がりもできてすごくいいですね


「そう!畑へは子供達はいつでも自由に出入りしていて。その中でネギとかトウモロコシとかも植えるのを挑戦して。ダメだった(収穫できなかった)時もあるんだけど。そういう感じで農家さんがすごい「がんばってるね」って手を差し伸べてくれるんだよね。(七夕で使う)笹の葉もそう。隣のおじさんが「よく頑張ってるね」って三保から担いできてくれて」


ーみなさん親切で協力的でそれは嬉しいですね


「そうですね。あとは“パパファーム”という農家さんは、三保を盛り上げようという活動をしていて。こぶみかんとか、アボカドとかバニラビーンズ作ったり。ちょっと面白いものを作って三保を盛り上げよう、町を盛り上げようってしていて。うちは発酵カレーを作る時に、そこのこぶみかんを使っているんだけど、朝に摘みたてのフレッシュなこぶみかんを届けてくれるの。三保半島内なら配達するよって」


ー地元の方々と地域交流が盛んに行われている感じですね


「そうですね、いろいろ面白い。なので、地元を盛り上げようっていう農家さんのものを積極的に使わせてもらっています。顔が見える人の食材を使わせてもらってるので安心ですよね。

三保には“地域まるごと学校”っていうコンセプトがあって。この間は三保小学校の子達が社会科見学に来てくれたんだけど、この地域のものを何か子供達に渡したいなと思って。それでパパファームさんが作ったインカのめざめを袋に包んでもらったの。それを生徒さん全員に渡してあげたらすごい喜んでくれて。こういうところでも作れるんだよって農作物の話もしましたね」



ー山下さんの思う静岡の魅力はどんなところですか


「まず、静岡の清水は私の実家っていうのもあって。20年くらい東京にいて、10年前くらいに戻ってきたんですけど、離れると良さって見えてくるんですよね。日本一高い富士山と日本一深い駿河湾を見ながら育つ。海の幸、山の幸、お水もそうですけど、すべてそろっている。今は三保っていう地区で、ここで生きて、ここで暮らしていて感じることは、“地のモノ”を大切にしてるなと感じますね。折戸ナスとかレッドオーレとかもそうだけど。あとは地域の農家さんとの繋がりで、とても良くしていただいてます。よくみんな言うけど、人がいいっていうか、のんびりしてる。助けてくれる人たちが多くて、すごく優しい人たちが多いかなと思いますね」


ーSOYハウス、山下さんが目指す未来像があれば教えてもらえますか


「すごく大きな話で言うと、県内には空き家がたくさんあるので、空き家を活用していけるようにしていきたいなと思います。今のお店のことでいうと、今は週に2回しかお店を開けていないんです。それは、スタッフのほとんどが子育てをしながら働いてくれていて、一番大事なのは家族なので、そこをキリキリしてまで(お店を)開ける必要はないと思っていて。でもこれから子供がどんどん成長していって、お母さんたちのライフワークも変わっていくから、それに合わせてもう少しオープンできる回数を増やせたらなと思っています。

あとはブックオーナー募集とか、土間で行っているハコミセの展示販売の拡大だったりとか、SOY文庫(お店の中には絵本がたくさん!)を小学生向けの本をもっと増やして、絵本を借りられるシステムも作りたいなと。みんなの居場所になれるような、そんな場所にしていきたいかな」


ーホームページにも「お帰りなさい」という言葉が書かれているのが印象的でした


「SOYハウスのコンセプトは“ママが笑顔に、子供が笑顔に、街中笑顔に”がコンセプトですから。SOYハウスのロゴには寄り添うような意味合いもあって。頑張ってる人多いから。ママだけじゃなくて、みんなね。少し疲れたりしたら、ここに来てもらえたらなって思っています」


SOYハウスの暖簾



> 古民家で発酵食を提供するカフェの運営や地域の方が集まるコミュニティーとしての役割を果たすSOYハウスを運営する山下ともちさんに食へのこだわりやお店を始めることとなったきっかけなどのお話を伺いました


 

SOYハウス

住所:静岡県静岡市清水区折戸1丁目2−25

営業時間:SOYハウス 10:00〜15:00 

     SOYカフェ(食事)11:30〜14:30

予約専用電話:080-9732-0499

Instagram:

(インスタグラムからのご予約も可)


※こどもアグリ体験は一年に一度インスタグラムで募集しています

気になる方はSOYハウスのインスタグラムをフォロー!

 


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