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静岡茶の味わいはどうやって生み出されているのか

更新日:2021年11月29日

静岡は言わずと知れたお茶の産地。生産量も長年日本一を誇ってきました。

静岡に住んでいるとあちこちでお茶畑を見るので日常の景色の一部となってしまい、その美しさに気付かないなんて事もあるかもしれません。お茶の頂き物も多く、親戚の家を尋ねた際はお茶をお土産に持たせてくれたり、お茶屋さんと関わりのある方は新茶を予約していて知り合いに配ったりしているくらいです。いかに私たちの生活にお茶がとけこんでいるのか。

それゆえに当たり前になってしまっていた静岡茶の魅力を深く探し求めてみようと思います。




静岡茶の歴史

静岡のお茶は、1244年、聖一国師(しょういちこくし)が宋よりお茶の種子を持ち帰り、静岡市の足久保に植えたのが始まりと言われています。その後、江戸時代の終わり頃には職を失った武士などによって茶園の開墾が活発に行われたとか。静岡のいたるところで茶園の開墾が進められましたが、環境整備、品種改良や栽培・茶葉加工方法の工夫と課題は多く、長い年月をかけて今の茶園の形が出来上がったのです。

東西南北に広い静岡県では中山間地区や台地、平地など、それぞれの地域の寒暖差、風土によってお茶の特徴も異なり、多様な味を楽しむ事ができます。


静岡に残る独自の伝統農法『茶草場農法』

静岡県の掛川市、菊川市、島田市、牧之原市、川根本町の4市1町では、県の特産品であるお茶を「茶草場(ちゃぐさば)農法」と呼ばれる独自の伝統農法で栽培しています。

そしてこの「静岡の茶草場農法」がFAO(国連食料農業機関)により、2013年に世界農業遺産に認定されました。

茶草場(ちゃぐさば)農法とはどんな農法かというと、茶畑のまわりの草地(茶草場)から草を刈り取りそのまま茶畑に敷き地中で腐らせる事で堆肥とし、土壌を豊かにする農法の事です。

これにより、樹勢の良い美味しいお茶ができる言われています。

そして茶草場農法はお茶の味をよくするだけでなく、自然環境の維持にも役立っています。

草刈りによって維持されてきた草地には、希少な生物が多数生息し、豊かな動植物を育んでいるのです。

 

茶草場を見たことありますか?

静岡に住んでいると茶畑をよく見かけますが、茶畑はいつも、本当にきれいに手入れされています。そんな茶畑の近くも草が綺麗に刈られていて良い景観を一部となっていますが、この草が刈られている部分が茶草場と呼ばれる場所です。

この面積は意外と広く、草を刈る作業に手間が掛かるであろう事は容易に想像できます。

お茶農家さんは手間暇かけて草を刈り、茶畑に敷くことで昔ながらの茶草場農法を守ってきたんですね。

この茶草場は動植物の住処となり、環境の保全にも役立っているのです。

自然をうまく利用しながら農業をしてきた先人の知恵には関心するばかりです。

 

年々減少していく茶畑

静岡県の緑茶生産量は年々減少しています。これまで緑茶生産量トップを守り続けてきましたが、近年は他県の緑茶生産量に押されています。

実際、静岡の茶畑の面積は顕著に減少していて、後継者のいないご高齢のお茶農家さんがお茶づくりから離れていっているようです。

茶葉は虫がつきやすく、管理が大変な上に、大型機械を入れられない山間部の農業は、高い品質の茶葉を生産するご高齢の農家さんにとってはとても負担な事と思います。

又、私たちの生活も随分変りました。以前は急須で淹れたお茶が必ず食卓に出されていましたが、今はコンビニやスーパーのパックやペットボトルの緑茶を利用する方が増えています。茶葉の需要が減少した事で農家さんはさらに厳しい状況に置かれています。


お茶をもっと身近なものに

お茶を飲む人が減った一方、静岡の緑茶を愛する方はまだまだたくさんいらっしゃいます。静岡のお茶の良さをもっとたくさんの人に知ってほしい。是非味わってみてほしい。そういった想いから新しいタイプのお茶屋さんや、プロジェクトが生まれています。


『chagama本店』お茶の試飲ができるお店

(FIEJA.JPより https://www.fieja.jp/chagama/628.html)

『chagama本店』ではお茶の伝統と文化に加え、新しい飲み方、楽しみ方を提案しています。 店内では、70種類以上のお茶の試飲や、エスプレッソマシーンで淹れた煎茶を味わえます。若い世代の方も入りやすく、店員さんも気さくにお茶について教えてくれるので何度も通いたくなるようなお茶屋さんです。詳しくはFIEJA.JPをご覧ください。



両河内でお茶テラス体験 Tea Terrace

茶畑の真ん中に建てられたティーテラスでティータイムを楽しめるプランです。

優しく吹き抜ける風と四季折々に変化する茶葉の香り、山の草木の香りを感じながら、ティータイムを楽しめます。詳しくはFEIJA SELECTIONをご覧ください。



 

静岡のお茶の歴史や特徴をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

昔ながらのお茶の良さを守る人がいる、そしてそれを大切にしながら新しいお茶の楽しみ方を作っていく人がいる。そんな人々のおかげで私達はお茶を飲む事ができるんですね。

私もお茶が大好きなので、毎朝お茶を淹れ、水筒に入れて仕事に持っていきます。

コンビニで買うお茶よりも美味しいし、健康的。さらに環境にも優しいのでとても気に入っています。

静岡で暮らす、それだけでお茶との縁があるのだから、その縁を大切にして静岡のお茶の歴史を守っていきたいですね。









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