今世界的にもブームがきているクラフトビール。日本でも各地に醸造所があり、ここ静岡でもクラフトビール熱が帯びてきているのを感じます。
しかしクラフトビールにはたくさんのスタイルや難しい言葉が多く、何がどう違うのか?どれを飲めばいいのか?迷ってしまう方も多いはず。
そこで今回は、知っているともっとクラフトビールがおいしくなる基礎知識を簡単にご紹介いたします。
|クラフトビールとは?
クラフトビールは簡単に言うと、小さな醸造所で造られたこだわりのビールのことです。
今までの日本のビールと言えば「のどごし」に重点を置いた商品が多かったのに対し、クラフトビールは「香り」や「コク」、「苦み」などにこだわった個性的なビールで、造り手の思いが込められているビールです。
|スタイルとは?
クラフトビールを探しているとよく見かけるのがこの「スタイル」という言葉。これはビールの種類のことです。
まず、ビールは発酵方法の違いで「エール」と「ラガー」の2種類に分けられます。
・エール・・・上面発酵(上面酵母を使用し、15度~25度で発酵させるビール)
・ラガー・・・下面発酵(下面酵母を使用し、低温で発酵させるビール)
世界中で最も普及しているのは下面発酵のラガーです。これは上面発酵のエール比べ、低温で発酵するラガーの方が雑菌が繁殖しにくいなどのメリットがあり、製造管理がしやすかったからという理由から世界中で造られるようになったようです。
日本の大手メーカーが出しているのはほとんどがラガーのピルスナーというスタイルのビールです。
ラガーはのどごしがよく、クリアな味わいでごくごく飲めるのが特徴です。
それに対してエールはまろやかでコクのある、しっかりとした味わいが特徴です。
|どんなスタイルがあるの?
ラガーのピルスナーが日本人に一番馴染みのあるスタイル、といったように、エールとラガーの中にはその他にもさまざまなスタイルがあり、現在は160種類以上もあるといわれています。そこで今回は代表的なスタイルをご紹介いたします。
エール(上面発酵) | ラガー(下面発酵) |
IPA(インディアンペールエール) | ピルスナー |
ヴァイツェン | IPL(インディアンペールラガー) |
ペールエール | シュバルツ |
セッションIPA | |
IPA(インディアンペールエール)
IPA(アイピーエー)はホップを大量に使用して造られたビールです。
ホップの香り、苦みを豊富に感じることができるのが特徴で、アルコール度数は高めです。
少し常温に置いてから飲む方がより香りや苦みを感じられるのでおすすめです。
ヴァイツェン(ドイツの白ビール)
ヴァイツェンはドイツ語で小麦のこと。多くのビールが大麦から製造されるのに対し、ヴァイツェンは小麦を50%以上使用しているのが特徴です。
苦みがほとんどなく、フルーティー香りとまろやかな味わいなので、苦みが苦手な方にも飲みやすいビールです。
ペールエール
ペールエールは色が淡い(ペール)ビールという意味です。ペールエールができた当時は、色が濃いビールが多かったため、そう呼ばれるようになりました。
アルコールが低めなものが多く、ホップの香りとモルトのコクを感じられるのが特徴。常温に置いてから飲むと、より豊かな香りを感じることができます。
セッションIPA
IPAよりももっと軽めのスタイル。アルコール度数を5%以下に抑え、ホップの量を少なくすることで苦みも抑えられています。苦みを抑えつつも、ホップのフルーティーな香りはしっかり感じることができます。とにかく飲みやすさを追求したスタイルなので、IPAの苦みが苦手だった方にも試していただきたいスタイルです。
ピルスナー
世界中のビールの定番スタイルで、日本で販売されているビールもほとんどがピルスナーです。19世紀にチェコで生まれ、世界中に広まっていきました。
グラスに注ぐと輝く淡い黄金色は、まさにビール!といった感じ。
麦芽の香ばしい香りとホップのキリっとした苦みのバランスがよく、爽やかな飲み心地が特徴です。
よく冷やしてスッキリとしたのどごしを楽しむのがおすすめです。
IPL(インディアンペールラガー)
IPLはホップが大量に使われたラガービールのこと。通常のラガーに比べ、ホップの香りや苦みを感じられるのが特徴。同じくホップを大量に使用するIPAは、まろやかなコクが特徴なのに対し、ラガーのキレやのどごしはそのままに、ホップ感を楽しむことができるのがIPLです。
シュバルツ
ドイツで造られた歴史あるビール。ドイツ語でシュバルツは「黒」という意味で、その名の通り「黒ビール」です。チョコレートやコーヒーのような香りとすっきりとした味わいが特徴。黒ビールを初めて飲む方にもおすすめできる飲みやすさです。
|まとめ
ビールは上面発酵のエールと下面発酵のラガーがあり、さらに個性的なさまざまなスタイルがありました。ビアスタイルとそれぞれの特徴を知っておくことで、クラフトビールをより楽しめるのではないでしょうか。
また、クラフトビールはパッケージにもこだわったオシャレな商品がたくさんありますので、是非お好みのクラフトビールを見つけてみてください。
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